口の中

  • 2022.02.08

口の中を意識してみていますか? がん治療中でも慢性的な疾患で療養中でも口腔内は色々な状態を反映します。抗癌剤で味覚を感じる細胞がダメージを受けたり、口内炎ができたり、免疫バランスが崩れて白苔などの細菌やカビの繁殖が目立ってきたりします。また体重が落ちてくるとそれまで問題なかった入れ歯が合わなくなり、入れ歯を使いたくなくなり、食事内容が制限され、食欲低下や体重減少の要因になったりもします。口腔内が汚染していると誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。自分で歯磨きやうがいができなくなった時に家...

病院との付き合い方

  • 2022.02.08

がん診断から抗がん治療中は総合病院での診療が必要になります。病院での治療をスムーズに受けることはなかなか大変です。特に症状が強くなっている時には色々な部署で生じる待ち時間が体力をさらに奪っていくような悪循環になりがちです。主治医ががん診療の中心となることは当然ですが、それ以外の職種も多く活動しているのが総合病院です。そうした病院特有の機能を理解して自分主導で治療をコーディネートしていく気持ちが大切になります。主治医が自分の病院機能を全て理解しているわけではありません。外来でも病院でも治療や療養...

緩和医療専門医養成プログラム

  • 2022.02.08

日本緩和医療学会では緩和医療専門医を認知していますが、まだまだ絶対数が不足しています(全国で269名)。専門的な緩和医療を全国どこでも、東海地方どこでも受けられるようにするために多施設共同での養成プラグラムを開始しました。心のケアを専門的に研修できる名古屋市立大学病院精神科、ホスピスケア、緩和ケアチームといった専門的緩和ケア診療を研修できる静岡県聖隷三方原病院、そして自宅での専門的緩和ケア診療を研修できる当院の3施設プログラムになります。一人でも多くの緩和ケアを学びたい医師を育てるために研修受...

どうしてそう考えるのか聞いてみる

  • 2021.11.19

誰かがどうしてその決定をしたのか分からないことはありませんか。それは人それぞれ価値観が異なるからです。理解できないということは、その人とあなたは価値観(判断基準)が異なります、そこでそれはおかしいと決めてしまうとすれ違ったままです。家族内はもちろんですが、医療者との治療方針決定のやりとりで、どうしてそういう考え方をするのか分からないと感じた時には、ぜひ「それは何故そう思うの?」、「どうしてそういう治療選択肢になるんですか?」と聞いてみてください。その質問は、相手の価値観を理解して、お互いの価値...

貼り薬について

  • 2021.11.19

貼り薬というと湿布をイメージする方が多いかと思います。貼り薬の進歩は著しく、湿布のような貼った場所にだけ効果のある治療薬だけでなく、最近では24時間効果持続タイプの医療用麻薬貼付剤(フェンタニル貼付剤)が癌に伴う痛みで飲み薬の使用が困難になった場合の選択肢として利用されてきました(飲み薬困難だけでなく、その他の医療用麻薬と比べて眠気や便秘などの副作用軽減につながることもあります)。さらに最近になり、ロキソニンのような一般でもなじみ深い通常の痛み止め成分(NSAIDSといいます)の貼り薬が使用で...

家族力動

  • 2021.11.19

「集団力動」と「家族力動」という二つの言葉があります。「集団力動」は朱に交われば赤くなるというように、個人が特定の集団に及ぼす変容を指しています。「家族力動」は集団力動の集団を家族に当てはめた言葉になります。 家族も集団(社会や職場、ある種のコミュニティーなど)と同様に、一人一人が役割を担って普段から生活をしています。大人が仕事をして働いたり、家事をしたり、子供は学校へいったり、祖父母が孫の世話をしたりなどです。一見安定した生活がずっと続いていくような錯覚に陥りますが、誰かが病気になり役...

栄養の考え方、使い方

  • 2021.08.23

当院に8月より管理栄養士がスタッフとして加わりました。細かな栄養指導を行うための戦力アップです。 栄養は重要です。一方で適切な時期、量を誤ると体への負担が大きくなります。 食べられないから、すぐに点滴をどんどん実施するとむくみや胸水や腹水がたまっている状態では、余計にからだの水分が増えていってしまうことがあります。病状によっては、無理に栄養(点滴)を実施せずに自然な形で、とれる分だけの水分や食事で対処する方が、余分なからだの水分を自分自身がうまく体の中でつかってくれて、腹水やむくみ...

訪問看護は重要です。

  • 2021.06.19

自宅で療養をしたいと思ったとき、壁になるのは自宅での医療的ケアです。点滴をどうするか、体がつらい時にどうやって入浴や着替えをするのか、通常の排泄が難しくなった時の排泄方法、症状がつらく薬の使い方を迷う時のサポート、このような問題をサポートしてくれるのが訪問看護です。訪問診療(あすなろ医院が実施しているような自宅での医療)のみでは十分なケアは実施できません。訪問看護と協力することで初めて、つらくなく自宅ですごしていける体制が整います。事業所はことなるため費用負担の問題などが発生してしまい、薬や点...

皮下点滴について

  • 2021.06.19

医療では点滴での治療が必要となることが多いです。一方で点滴治療を長くおこなっていると血管が硬くなったり、細くなったりして血管に管をいれることが難しくなることも多いです。こうした患者さんは抗癌剤治療を長くされてきた方に非常に多く、症状を緩和するための薬剤の投与が困難な場合があります。緩和ケアではそのような場合でも必要な薬剤が投与できるように、経験的な方法で皮下点滴(血管の中ではなく、皮膚の下に点滴をいれて投与する)を行うことが多くあります。水分補給だけでなく、抗生物質や止血剤、胃薬など様々な薬剤...

アナモレリン使用開始となりました。

  • 2021.06.19

日本発の悪液質による食欲低下、体重減少の回復を目的としたグレリン受容体作動薬アナモレリンが販売開始となりました。期待されていた薬剤ですので、使用対象となる患者さんと相談の上で、治療を始めていく方針です(対象となる癌の種類が限られています)。治療を行うには研修を受けた医師に相談する必要があります(イーラーニングが必要)。アナモレリンの対象となる癌以外の方は、同様の機序で効果が期待される漢方薬などで代替していくことになります。 ...

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