病院へ入院すること

  • 2020.12.10

コロナ感染拡大の中で病院や施設での面会制限が強まってきています。病院医療従事者としては苦渋の判断を迫られており、制限自体は尊重する必要があると感じています。一方で患者さん一人の人権、最後を家族と過ごすという場の尊重という面から考えると非常に厳しい環境です。意識が混濁されていた患者さんが亡くなられる数日前に急にはっきりして数時間だけきちんと会話ができる、不思議と元気になる「仲良し時間」があります。そのような人の一生、家族の一生の大事な一瞬の共有自体が、今の医療体制の中では難しくなってきています。...

在宅医療を利用するタイミング

  • 2020.11.24

在宅医療は一人では通院が困難な方(歩行可能でもご家族と一緒に通院されている状況)が対象となります。通院に付き添いが必要な状況で、外来での待ち時間で体力を消耗していないでしょうか。診察時に十分に主治医と病状や治療方針、お薬のことなど相談できていますか。診察で消耗してしまうと大事な人生の意思決定を慌ててすることになったり、外来で混んでいる医師に気をつかって医師の言われた通りに従うだけになったりしてしまうことがあります。 在宅医療の最大のメリットは、自分が住み慣れた環境で自分の体を向き合いなが...

治らない病気との向き合いかた

  • 2020.10.18

治らない病気の代表として進行癌がありますが、がんに罹患した時に、多くの方がまず気にかけるのが家族のことです。一方で家族の立場では、本人の気持ちの負担が心配になります。このお互いの不安や気がかりは相手への思いやりから発生しているのですが、気をつけないと時にすれ違ってしまいます。家族に心配はかけたくないから、外来は全部自分で受診してその時に聞いた説明も家族には伝えない、治療方針の決定は全て自分で行う。そのような場合には、実際は家族は心配していて何も聞かされないことへの不安(本人には直接聞きにくい)...

インフルエンザ予防接種について

  • 2020.10.18

当院ではインフルエンザ予防接種を実施しています。今年は新型コロナウイルス感染症の流行もあり、インフルエンザとの同時流行が懸念されています。インフルエンザ予防接種は接種後2週間してから効果発現してきます。これまで早い流行は11月ぐらいから始まっていますので、11月には予防接種を実施しておくことをお勧めします。外来予約や通院困難な方には自宅へ訪問しての接種も行いますのでご相談ください。 ...

在宅緩和ケアの充実を目指して

  • 2020.09.22

当院では緩和医療の専門家として、小牧市だけでなく、尾張北部地域や愛知県における在宅医療、在宅緩和ケアの研修施設となることを医院の理念としています。まだまだ在宅医療(特に在宅緩和ケア)を専門とした診療所は少なく、症状緩和治療をしっかりと受けながら自宅で療養したり、必要なら時に病院医療を利用できるように連携するような地域システムを整えているところは少ないです。当院では、自宅で過ごしたいから症状は我慢しなくてはいけない、自宅で過ごすことを決定したら病院は利用できないというような診療ではなく、患者さん...

わた史ノートと人生会議

  • 2020.09.22

厚生労働省が人生会議を盛んに宣伝しています(昨年お笑い芸人さんがモデルのポスターがつくられ多くの批判を受けて回収されたと話題になりました)。 小牧市では「わた史ノート」を市が独自に作成して市民向け講座を開催したり、民生委員へ啓発を行ったり、中学校の副読本に取り入れられたりしています。 わた史ノートは、私(渡邊)が小牧市からの依頼により監修させて頂きましたが、よくある機械的な情報を書き残しておくだけのエンディングノートとは異なり、地域で家庭でその人が、その人らしく生きていけるために役...

気持ちのつらさについて

  • 2020.09.22

誰しもが人生に大きな変化を与える病気になった際には、気持ちが落ち込み、揺らぎ、通常の日常生活にも影響がでてきます。そうした状況においても、人間の適応能力により、徐々に気持ちの上でも、社会生活の上でも対処方法が確立していき日常生活リズムはもどってくることが多いです。一方で、日常生活リズムがもどりにくいような気持ちのつらさ、睡眠障害、食欲低下、だるさなどの変化が持続する場合には、通常の気持ちのつらさだけではなく「うつ状態」になっている可能性があります。このような時には悪循環になってしまっているため...

がん患者さんの混乱について

  • 2020.09.01

がん患者さんの病状が悪化してきた場合に、半数以上の方で混乱が生じることがあります。混乱というと一般の方には想像しにくいかもしれませんが、時間の感覚がはっきりしない、日にちが分からない、なんだかぼんやりしていることが多く返答が曖昧、といった症状も混乱の一つの症状の可能性があります。周りがびっくりしてしまうような混乱の症状としては、いつもは穏やかな人が急に怒りっぽくなった、動けないのに急に立ち上がって転びそうになった、点滴を抜いてしまった、落ち着かない様子でうろうろしてしまうなどもあります。 ...

困ったときの対処法

  • 2020.08.18

痛みや息苦しさ、だるさなどのからだのつらさで困った時にどのように対処したらよいでしょうか。困った時(症状が強い時)に使用できる薬剤を処方してもらっておくことはもちろん重要です。痛い時、息苦しい時、眠れない時、熱が出た時などが主要な症状になります。一方で困ったときにお薬だけでは十分に対処できないことや、お薬だけに頼るとどうしても副作用(医療用麻薬であれば眠気や便秘などです。寿命を縮めることはありません)が強くなってしまう可能性があります。お薬を使用する量を少なくすることは副作用を少なくすることに...

点滴とむくみ

  • 2020.08.03

食事がとれなくなってくると点滴で水分補給が行われることがよくあります。一般的な医療のイメージでは、点滴でよくなるというイメージが多いかと思います。進行がん患者さんやお亡くなりになる間際の患者さんでは、食事がとれないからといってたくさんの点滴を実施すると、点滴が体の中でうまく利用できずに手足のむくみになったり、痰を増やしてしまったり、胸水や腹水を増やしてしまったりすることがあります。ご家族としては点滴してもらった方が安心という気持ちの方もおられると思いますが、点滴が逆に患者さんの負担になる場合が...

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