栄養の考え方、使い方
- 2021.08.23
当院に8月より管理栄養士がスタッフとして加わりました。細かな栄養指導を行うための戦力アップです。
栄養は重要です。一方で適切な時期、量を誤ると体への負担が大きくなります。
食べられないから、すぐに点滴をどんどん実施するとむくみや胸水や腹水がたまっている状態では、余計にからだの水分が増えていってしまうことがあります。病状によっては、無理に栄養(点滴)を実施せずに自然な形で、とれる分だけの水分や食事で対処する方が、余分なからだの水分を自分自身がうまく体の中でつかってくれて、腹水やむくみが減っていくことも多く経験します。
一方でまだベッド上での生活が中心となっていない時期、外出などができる時期にはタンパク質も意識しながらカロリー摂取を行い筋肉量を維持することが、自立を保つために重要となってきます。癌患者さんの場合には悪液質といって食欲減退や筋肉分解を促進する物質が癌細胞から出ていることがあり、病状の時期によっては積極的な食事療法がすすめられることもあります。この場合には、量をとることは難しいため濃厚流動食と呼ばれる栄養製剤を使用することがあります、一時的にはよいのですが、連日となると飽きがかならずきます。そうした時に自宅でスープをつくってみたり、栄養製剤でも味を変えてみたり、いろいろ心理面へのアプローチ(食事はただ食べるだけでなく、環境要因:食事をどこで、いつ、だれととるか、自己決定要因:何を、どのように食べるのか)を組み合わせてみることも工夫の一つです。
いろいろ工夫しているが、食事が難しいような場合、ご相談ください。管理栄養士を加えて多職種でサポートします。