貼り薬について
- 2021.11.19
貼り薬というと湿布をイメージする方が多いかと思います。貼り薬の進歩は著しく、湿布のような貼った場所にだけ効果のある治療薬だけでなく、最近では24時間効果持続タイプの医療用麻薬貼付剤(フェンタニル貼付剤)が癌に伴う痛みで飲み薬の使用が困難になった場合の選択肢として利用されてきました(飲み薬困難だけでなく、その他の医療用麻薬と比べて眠気や便秘などの副作用軽減につながることもあります)。さらに最近になり、ロキソニンのような一般でもなじみ深い通常の痛み止め成分(NSAIDSといいます)の貼り薬が使用できるようになりました。医療用麻薬と異なり眠気の不安がないため、医療用麻薬での眠気が生じており増量しにくい患者さんやロキソニンのような成分の飲み薬が効果でていたが、飲めなくなった時に有用です。貼り薬の場合には皮膚のかゆみなどが生じる可能性が心配になりますが、これまでの経験ではあまりそのようなトラブルは生じていません。もちろん湿布と異なるので取り扱いには注意が必要です、また現在のところがんの痛みにしか使用できません。貼り薬を上手に使用することは飲み薬の負担を減らすことをつながりますので、飲み薬の負担がでてきたら医療者と相談してみてください。