家族外来、遺族外来について

  • 2024.11.14

介護を担う家族は、重要な意思決定も担う必要があり心身共に疲弊します。その結果として不眠や不安などの心身の不調につながることも多くなります。また大切なご家族を看取った方(遺族)は身体的な介護負担は軽減しますが、心理的な受け止めは自然と進んでいく中でも、気持ちのつらさ(さみしさ、不安、不眠など)が強まり日常生活に支障をきたすこともあります。 当院では多くの方の看取りを行ってきた経験や家族を支援した経験をもとにそうしたご家族のサポートを行っています。 ...

わた史ノート改訂

  • 2024.11.14

小牧市では自分らしく生きることを支援するためのツールとしてわた史ノートを作成しています。2017年に初回版が作成され、監修として協力させていただきました。その後啓発活動を重ねてきましたが、今回小牧市人生生き活きプロジェクトメンバーにより年単位での改訂作業を経て完成しました。小牧市内の公的機関、一部の医療機関などで配置されるほか、小牧市からの出前講座も準備されています。 厚生労働省は医療介護の場で行われる話し合いを人生会議(アドバンスケアプランニング)として啓発活動を行っています。小牧市で...

転ぶと心も痛い

  • 2024.11.14

加齢や疾患の影響により筋力が低下してくると、歩行が不安定になり転倒することがあります。からだの痛さはもちろんですが、最も大きなつらさは心のつらさです。自尊心も傷つくことで気持ちの落ち込みにつながります。各家庭の状況に合わせて転倒のリスクを減らすような薬剤調整や環境調整を考えていくことが大切です。 ...

口の渇きのつらさ

  • 2024.11.14

病気の影響で食欲が低下して食事摂取量が減少すると唾液分泌の減少につながり口の渇きを感じることが多くなります。また医療機器としての酸素吸入療法などを使用していると乾燥から渇きにつながることも多くあります。 唾液分泌を促進するような口腔ケア方法(口腔粘膜の加湿方法や飲み物の工夫など)をその人の状況に合わせて、自宅で可能なやり方を工夫して行っていきます。 口の渇きに対して単純に点滴を増やすことや水分をたくさん飲むことはがん患者さんお口の渇きの軽減にはつながらないことは研究的にも報告されて...

自律性を大切に

  • 2024.11.14

痛い時、息苦しい時に指示された薬を使うという対処だけでは、症状が強くなってから慌てて対処することになります。そうした行動からでは、自分で自分の問題に対応する自律性は育たず、つらい時にだれかがいてくれないと不安になるという気持ちのつらさにつながっていくことが多いです。 つらい時に薬を使用した場合に、どういう状況で使用したのか、次にどのようなタイミングで薬を使用すれば早くつらさが和らぐのか、予防的な使用は可能かなど相談を行っていきます。 また心理的につらさが和らぐ方法(気分転換方法)な...

人生会議について

  • 2022.10.07

小牧市では生き活き人生プロジェクトとして、人生会議の普及啓発に関連した事業を展開しています。 「人生会議」とは、アドバンス・ケア・ プランニング(Advance Care Planning:ACP)の愛称として厚生労働省により決定された言葉です。ACPは、もしものときのために自分自身が望む医療やケアについて前もって考え、信頼する周囲の人や医療・ケアチームと繰り返し話し合っておくことで、自分の気持ち(意思)を伝えられない時にも、自分自身が望む医療やケアを受けられる可能性が高まり、人として尊...

抗がん治療関連の口内炎

  • 2022.10.07

抗癌剤投与中、白血球減少している時などに多発する口内炎で痛みが強く、食事量も減ってしまうということがあります。ステロイド系の軟膏だけではなかなか効果なくつらい時には、半夏瀉心湯の含嗽(口にふくむ)が痛みの緩和や口内炎の治癒促進に有効な場合があります。それ以外にも最近では口腔粘膜保護剤(被覆材)としてエピシルという薬剤が使用可能になりました(残念ながら歯科医院でしか取り扱いができません)。抗癌剤中に食事摂取が減少してしまうと筋肉量も減り日常生活がつらくなってしまうこともよくあります。難治性の口内...

口の中

  • 2022.02.08

口の中を意識してみていますか? がん治療中でも慢性的な疾患で療養中でも口腔内は色々な状態を反映します。抗癌剤で味覚を感じる細胞がダメージを受けたり、口内炎ができたり、免疫バランスが崩れて白苔などの細菌やカビの繁殖が目立ってきたりします。また体重が落ちてくるとそれまで問題なかった入れ歯が合わなくなり、入れ歯を使いたくなくなり、食事内容が制限され、食欲低下や体重減少の要因になったりもします。口腔内が汚染していると誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。自分で歯磨きやうがいができなくなった時に家...

病院との付き合い方

  • 2022.02.08

がん診断から抗がん治療中は総合病院での診療が必要になります。病院での治療をスムーズに受けることはなかなか大変です。特に症状が強くなっている時には色々な部署で生じる待ち時間が体力をさらに奪っていくような悪循環になりがちです。主治医ががん診療の中心となることは当然ですが、それ以外の職種も多く活動しているのが総合病院です。そうした病院特有の機能を理解して自分主導で治療をコーディネートしていく気持ちが大切になります。主治医が自分の病院機能を全て理解しているわけではありません。外来でも病院でも治療や療養...

緩和医療専門医養成プログラム

  • 2022.02.08

日本緩和医療学会では緩和医療専門医を認知していますが、まだまだ絶対数が不足しています(全国で269名)。専門的な緩和医療を全国どこでも、東海地方どこでも受けられるようにするために多施設共同での養成プラグラムを開始しました。心のケアを専門的に研修できる名古屋市立大学病院精神科、ホスピスケア、緩和ケアチームといった専門的緩和ケア診療を研修できる静岡県聖隷三方原病院、そして自宅での専門的緩和ケア診療を研修できる当院の3施設プログラムになります。一人でも多くの緩和ケアを学びたい医師を育てるために研修受...

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