点滴とむくみ
- 2020.08.03
食事がとれなくなってくると点滴で水分補給が行われることがよくあります。一般的な医療のイメージでは、点滴でよくなるというイメージが多いかと思います。進行がん患者さんやお亡くなりになる間際の患者さんでは、食事がとれないからといってたくさんの点滴を実施すると、点滴が体の中でうまく利用できずに手足のむくみになったり、痰を増やしてしまったり、胸水や腹水を増やしてしまったりすることがあります。ご家族としては点滴してもらった方が安心という気持ちの方もおられると思いますが、点滴が逆に患者さんの負担になる場合があることを理解していただく必要があります。もちろん、点滴を積極的に利用した方が症状緩和にとって有効な場合(脱水症による混乱やだるさなど)もありますので、患者さん自身の病状によって医師と相談が必要となります。
当院では患者さんの病態により必要な点滴量や点滴のメリット、デメリットなど考えながら診療を行っています。お困りの方はご相談ください。