がん患者さんの痛み

  • 2020.05.16

がん患者さんが抱える痛みは、大きく分けて以下のように分けられます。

1)がん自体による痛み

2)がん治療に伴う痛み(抗がん剤の副作用による手足の痛み、手術後の痛みなど)

3)がん以外の痛み(筋肉量の減少に伴う頭痛や関節痛、床ずれの痛みなど)

医療用麻薬が主に使用されるのが1)の痛みになります。一般的には「モルヒネ」が有名ですが、それ以外にも現在日本では複数の医療用麻薬が使用可能です。モルヒネだから「強い」とかモルヒネを使い始めたから「末期」、医療用麻薬は「中毒になる」「寿命を縮める」というようなことはありません。モルヒネは息苦しさにも効果があることが分かっている薬剤となりますし、腎臓機能が低下している時に使用しやすい医療用麻薬や便秘や眠気の副作用が少ない医療用麻薬なども使用可能ですので、それぞれのお薬の特徴をうまく利用しながら症状を緩和していく必要があります。

2)の痛みには、医療用麻薬以外の鎮痛補助薬といわれる薬剤が使用されることが多いです。鎮痛補助薬は眠気やふらつき、吐き気などの副作用にも気をつけながら効果をきちんと評価して使用していく必要があります。効果の評価が十分されていないと、不必要に飲み薬がどんどん増えてしまうことになりかねません。

がん患者さんの痛みにはいろいろな原因がありますので、お困りであればご相談ください。がん治療主治医へ症状緩和方法についての情報提供をさせていただい、一緒に治療を行っていくことも可能です。

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